index top 本宮の構造
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注:ここに記載された内容は、空亡著である小説『欲望の守護神』のための設定資料です。
すべてはフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさい関係ありません。
浮舞台アイコン 浮舞台
浮舞台
〈撮影:古瀬和馬〉
 この舞台は、各所にみられる高舞台そのままの製法でつくられている。舞台部分の高さは三尺〈90.9cm〉、四間〈7.28m〉四方の広さ、前後に階段と周囲に高欄をもつ。祭の際には中央に広さ三間〈5.46m〉ほどの敷舞台が置かれる。素木造で、金銅金物が打たれている。しかし浮舞台といえば、通常はこの舞台が直接水辺に張り出しているものだ。ところが日蛇のものは、まず張出した板敷の床があり、その上に高舞台が置かれている。張出した床は、およそ幅十間〈18.2m〉奥行七間〈12.74m〉、その中央七間分がさらに二間〈3.64m〉奥に出ている。しかしこの珍妙さも、舞殿の造りを踏まえて考えれば分かりやすい。この床は、実に回廊の延長なのである。祭員の着座や楽所として利用され、また、祭によっては舞人が舞台のみならず床でも舞う。つまりは周囲の回廊が簡素化した果ての姿、と言えそうである。

――「神社としての日蛇」著者:今村忠彦

>日蛇の見解