index top 本宮の構造
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注:ここに記載された内容は、空亡著である小説『欲望の守護神』のための設定資料です。
すべてはフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさい関係ありません。
双神池アイコン 双神池
双神池位置
 この双神池の水源は、聖山のさらに奥に連なる山脈の帯水層からの湧き水で、かつては飲料水や生活用水として使用されていたという。入りの沢にある橋が瓢橋、出の沢の橋が桶橋と呼ばれているのは、そのころの名残である。今は施設が増えたことから地下水を汲み上げているが、帯水層としては同様のものである。そして、古くは社殿が麓町の避難所として使われていた経緯から、日蛇は自給自足に非常に熱心である。この池も定期的に清掃、循環させて清浄を保っており、最低限の消毒で飲料水として使用に耐える質を有しているという。
 また、大暑祭の伝説には、この池が登場する。人界の戦乱をこらしめようと、神から二人の鬼神が地上につかわされる。暴れ回る鬼神を、賢者が天へ帰そうとする。条件として鬼神は、この池の渕で謎かけをする。賢者は大傷を負いながらも見事その謎をとき、鬼神は満足して帰っていった。双神池という名は、そこから付けられたものらしい。
 ちなみにこの大暑祭、それまでの『双神と賢者』という俗称のほかに、近年では雷神祭という通り名がついている。祭のクライマックスに射手が、舞台から小舟に乗せられた的を射るのだが、そのさい飛んだ矢に雷がおちたらしい。火をふいた矢はそのまま的を貫き、小舟を黒焦げにしたという。この時の射手は、当時斎司を務めていらした故田桜真人さん。彼はいまだ弓の名手として、語り継がれている。

――「神社としての日蛇」著者:今村忠彦

>日蛇の見解