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無断転載禁止。Reproduction Prohibited.
注:ここに記載された内容は、空亡著である小説『欲望の守護神』のための設定資料です。
すべてはフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさい関係ありません。


社家
 田桜家、藤井家、柏木家、萩谷家、蓮沼家。
 >姓の歴史:
 かつては麓の集落に便宜上あてた身近な植物の名前、桜・藤(ふぢ)・柏(かしは)・萩・蓮(はちす)を屋号のようにつかっていた。やがて旧家として名字が必要となった際、地名との混同をさけるため、それぞれに一字のんで今の姓になった。
 また、平民苗字必称義務令が布告された時に、一族でなくとも町内では倣って名乗る者が多数いて、いまだそれぞれの町にはそれぞれの姓(例:桜町→田桜 萩町→萩谷)を持つものが多い。
 >遺伝的特長:
 先祖代々、榊茂として役立つという名目で淘汰されてきたため、健康な体躯・長寿・毒物への耐性とした遺伝的特長をもつ者が多い(例外:萩谷家の劣性遺伝)。とくに酒を嗜好する媒介者は多く、相伴と後始末を成すためにその毒性に耐えられる肉体を有す必要があった。現在において社家の者は、酒には蟒蛇が標準である。最近は減少傾向にある喫煙者に関しても、病まで至る例は非常に少ない。
 また、それらの身体的特長から、一般の信者は『日蛇の行を成していれば天罰(病気・怪我)を防ぐ事ができる』という誤認を抱く傾向がある。
 >継承:
社家の血筋にあるものは、通常であれば生まれた時点で入信となる。

社家町
 聖山の麓にある港町、五都木(いつぎ)市。市内は背に聖山をふくむ山脈を、腹にリアス式海岸をもつ位置に広がる。経済の要を日蛇に依存する。古くから津波の驚異をかかえ、日蛇の社殿を避難所としてきた歴史がある。
 五都木市から本宮までは、徒歩にすると上り四時間(熟練者なら三時間)、下り三時間(熟練者なら二時間)ほど。舗装された公道が通っていて、市バス・観光バス・神官専用バスが定期的に行き来する。
 市名の由来は、日蛇の社家がそれぞれ支配・開墾した土地にあてた桜・藤・柏・萩・蓮という五つの植物に因む。村になる時に『五ツ木村』、さらに町になる時には他所との区別をつけるため『ツ』に『都』の文字が充てられることになった。