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無断転載禁止。Reproduction Prohibited.
注:ここに記載された内容は、空亡著である小説『欲望の守護神』のための設定資料です。
すべてはフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさい関係ありません。
修行全般の特長
 古典における行が少ない。古書の原文は存在するが、解読、暗唱、暗記などを強制しない。伝説など意味を伝えるための内容は、すべて現在つかわれている漢字・文字にて改められている。現代において正しい理解を求めることが要とされ、原典を尊ぶことを目的としない。
 地方信仰のため、芸術性より実益を重んじてきた名残りが強い。結果、他ではすでに廃れてしまった原始呪術(宗教発生以前の不可思議な力をえるための術)が、わずかながら残されている。
 茶道・香道→薬理
 一般的な交際礼法の探求ではなく、茶(薬草茶)と香(漢方薬)のブレンドとテイスティングを学習する。社務道へ進むと、伝来した薬草や毒草などの知識、さらには現代の薬理学へと続く(薬理課)。

 書道→符
 固有文字・異体字の学習が残る。神修からは任意だが、極めれば(科学的解明前の)不可思議とされる力が身につく(個人差あり)。ただし、難解で手間がかかるうえ、効能が一定でない。失敗が見目には分からず、また対象者によっても効き目が変わる。また、身体苦痛の緩和、睡眠の誘導などといった些細なものがほとんどで、現代では他の手段(薬・マッサージなど)の確実性に劣る。やがて完全に廃れるだろうと予想される。

 祝詞・作法→法術
 固有文字・異体字の学習、発音が残る。実際の儀式でつかう形式的なものは、神修までに覚えることになる。その先は任意だが、極めれば(科学的解明前の)不可思議とされる力が身につく(個人差あり)。ただし、こちらも難解で手間がかかるうえ、成功の確率はかなり低い。光や火を得るだけなら、原始的な方法(火切り・火打石と火打金)より不確実である。かつては法術で作った火を神聖とし祀る儀式があったが、あまりの不確実さに絶えたほどである。また、高度になればなるほど膨大な時間を必要とし、なお成功確率は目減りするときて、練習量や才覚を問うまえに実用に堪えない。よって、衰退の一途をたどっている。

 舞踏・楽
 かつては舞踏や楽も呪術の要素を秘めていたが、それらはすでに祭での神楽として形骸化した。分類上は、太々神楽、神前神楽とされる。

  宗教理念: 舞踏は神(世界)への解放を、楽は神(世界)への呼応を成す手段だとされる。極めることにより身の限界を超え無我の境地へといたり、そこから自らの欲求をかんがみ制御する理を得られるとする。

 武術
 作法の基本とされる武術は、現在においても大変に有効な攻防の手段である。近年、GHQによって武道が禁じられた際、すべての武術を舞踏として廃止を逃れた経緯がある。

  宗教理念: 武術は神(世界)に精通する手段だとされる。他の手段にくらべ最も能率がよい行とされ、無我の境地を体現することで自らの欲求を知覚し制御の理を得るとする。

その他の必修項目
 瞑想・華道(森林園芸課)・着付け(装束課)・料理(厨房課)・清掃(庶務課)・水泳・家庭医療・裁縫など。