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無断転載禁止。Reproduction Prohibited.
注:ここに記載された内容は、空亡著である小説『欲望の守護神』のための設定資料です。
すべてはフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさい関係ありません。
専攻項目
 神修からは専門の修行を行う。宗教理念から、社務道・財務道の者は自主的に、ひきつづいての武術修行を推奨される。しかし現実には、忙しさゆえに専従する傾向がある。

 武術道
 日蛇においてもっとも基本とされる修行。おおむね、剣術(竹刀・木刀・真剣)、槍・杖術、薙刀・鎌、弓術(和弓・洋弓・馬弓)、体術(投技・寝技・打撃)に分類される。一年目には全ての基礎をなぞるが、その後は自らの専門を選び、各指導者(客員ふくむ)のもと探求することになる。カリキュラムは年齢・性別にて分かれるが、こと女性に継続は難しいとされる。
 日蛇流、とされる武術の多くが、薄い気配を特長とする。発声による威嚇、気合を行わず、足音も故意に荒げない。代わりに、呼吸、気迫、殺気をつかう。しかし、外部から講師などを招く時は、そちらの流儀に揃える。また、他流試合などに出場・出演する際には、定義されたルールに従う。
 他流試合への出場、演武出演の招待、客員指導者としての招待なども修行のうちであり、外界に対して非常に開放的である。ただし、日蛇の儀式にかかわる演武(剣舞など)は神への供物であるがため、他所で行うことは禁じられている。(例外:榊茂による神や媒介者への奉納)

 舞踏道
 華やかさゆえに、もっとも志願者が多く、もっとも脱落者が多い道である。祭や神事にて重要とされる舞踏は、失敗は厳禁。更新にむけて変化への適応も必須。そのため稽古は厳しく、適性が問われる。一年目には基礎として、クラッシックバレエ・モダン・ジャズ・ソシアル・フォーク・タップ・ストリート・ベリーなどの各ダンス、能・舞楽・日舞・体操・新体操・回旋舞踏といった、あらゆる舞踏を駆け足でなぞる。そこで合格した者だけが、それらの要素を組み込んだ実際の神楽舞へと移行できる。不合格者は、何年でも基礎をやり直さねばならない。
 また、日蛇の儀式は神への供物であり、門外不出。よってそれらに関わる舞踏を他所で行うことは禁止とされる(例外:榊茂による神や媒介者への奉納)。しかし、その他の舞踏・ダンスに制限はない。他の舞台や公演に、客演することも可能である。

 楽奏道
 舞踏道についで志願者が多く、脱落者も多い。祭や神事にて重要とされる楽曲(歌ふくむ)は、失敗は厳禁。更新にむけて変化への適応も必須。そのため稽古は厳しく、適性が問われる。また専攻する前に、規定とされる数十種類におよぶ楽器類(和楽器・洋楽器)の音が出せる事が条件となる。一年目には基礎として、神楽・雅楽・舞楽・能楽・民謡・祭囃子・囃言葉などとした日本音楽をふくむ東洋音楽史、クラッシックと言われる楽典をふくむ西洋音楽史、民族音楽史、その他、オペラ・ジャズ・シャンソン・ロック・ヘヴィメタル・ボサノヴァといったあらゆるジャンルの近代・現代音楽史の、概念としての流れと実践とを学ぶ。最終試験(実技あり)に合格したものだけが、楽器を選択し神楽の楽師過程へと進むことができる。不合格者は基礎からのやり直しとなる。
 日蛇の儀式は神への供物であり、門外不出。よってそれらに関わる楽曲を他所で行うことは禁止とされる(例外:榊茂による神や媒介者への奉納)。しかし、その他の楽曲・演奏に制限はない。他の舞台や公演に、客演することも可能である。

 社務道
 もっとも多くの神官が働く道。宗教法人としての運営と管理、また祭事・神事における演出の提案から、周辺の雑務までを司る。さまざまな課に分類される。
 経理課: 本宮の管理会計。
 人事課: 入信・退信・異動・分社などの一般人事。一時的な人員確保のため課・道をまたぐ神官の貸借管理。
 庶務課: 受付、一般事務、雑務。
 儀式課: 冠婚葬祭・地鎮祭・上棟祭・車祓など一般の儀式。
 警備課: 寮内、および敷地内での規律監視。不審者取締り。祭事・神事における周辺警備。山内から侵入した動物退治。
 車両課: 教団が所有する車両の管理、修理。駐車場の管理、駐車券の発行。神官専用バスの運行、運転。高位神官の運転手。
 厨房課: 寮厨房での調理。修行者への技術伝授および食事指導。献立の制作、および分霊社への配布。食材(半調理ふくむ)宅配業者の監査。地方調理委託料理店の監査。課長の愛称は『料理長』。
 薬理課: 酒への耐性が強い社家神官(媒介者ふくむ)に効く特殊な薬剤づくり。そのための薬剤の研究。グループ企業内の病院・薬局への知識提携。課長の愛称は『飯綱(イズナ)』。
 広報課: 歴史書、古書の管理。神社、祭、神事の宣伝、および情報管理。研究機関、またはその書籍への情報提供、マスコミへの規制。
 企画課: 儀式の資料管理。儀式の演出提案。儀式に必要となる道具や設備の管理、調達。舞台機構技術学習、裏方実行。操作盤への連絡。
 装束課: 服制規律の監視。神官からの注文受付、業者への発注。儀式での衣装デザイン(舞具・採物ふくむ)の提案、発注、補修、管理。舞人への着付け。課長の愛称は『風紀委員長』。
 奉符課: 敷地内の休憩所における、神符、守札、根付け、掛け軸などの販売物の企画、デザイン、発注、販売。月蛙喫茶への土産物の企画、デザイン、発注、提供。
 森林園芸課: 咲代屋を拠点とする。儀式における植物・植木の開花調整。儀式で使用される花(舞台の装飾・神官の頭挿花)の育成、調達。聖山の森林管理(育成、植林、選定、伐採)。得られた木材の管理、販売。課の別称『咲代屋』、課長の愛称は『花咲爺』。

 財務道
 社務道についで、多くの者が働く。日蛇本社を運営し、教団の財源をささえる。また、教団に対し財務会計をおこなう。
 日蛇本社は、1997年の独占禁止法改正により、純粋持株会社となる。組織の形態としては、企業グループ(親会社を頂点にする子会社集団)同士が結合した企業集団を支配する社長会の、さらに上部にあたる。よって、傘下の関連企業は多岐におよび、また五都木市の経済発展に多大な貢献をしている。
 社会的実力や影響力は最大であるにも関わらず、地位の上では代表取締役は神司(通称:裏神司)に属する。また、専務は財務道長に該当する。
 日蛇本社は、建前の上では社員(従業員)をすべて神官とするが、当初から入社目的で修行をつむ者が大半を占める。現実に、神官らしき業務はなく、神官と呼ばれることもない。社員はすべて、服制規律、食事規制の対象外とされる。ささやかに、取締役の徽章が日蛇の文様であり、社内食堂では規定献立も提供され、朝礼が神棚の前でおこなわれるとした特色を有すのみ。