index top 本宮の構造
無断転載禁止。Reproduction Prohibited.
注:ここに記載された内容は、空亡著である小説『欲望の守護神』のための設定資料です。
すべてはフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさい関係ありません。
木造アイコン 木造建築全般
 今村忠彦氏の解釈に、ほぼ相違ない。
 中央権力との繋がりが薄く、式年遷宮の歴史はない。そのうえ需要、老朽化、火災といった理由から増築、改築をくりかえし、そのつど新しい時代の様式を取り込んできた。たしかに非公開資料の中には建築に関するものも残されているが、大部分は災害や戦火ですでに失われている。
 しかし、材木を聖山から切り出す、といった歴史は、現在まで連綿と受け継がれている。古くは運搬が困難だったからだが、そのせいで山頂を荒らし、崖崩れがおきたという記録が残っている。画期的なのは、そこから森林育成・管理・植林といった先端思想が生まれたことである(ちなみに伊勢神宮が森の再生を始めたのは1923年以降)。以来、山の森林は定期的に選定、伐採、植林され、結果的に材木需要、水源涵養、風致が保たれることとなった。
 近年、鉄筋コンクリート建築の技術が広まりはじめたころ、耐久性・耐火性・耐震性などから「全ての社殿を鉄筋コンクリート製にしたらどうか」という発案が出された。内部の意見が割れ、信者や職人の陳情が加味された結果、現在も儀式的な社殿は木造建築として残されている。



本宮の構造