index top
無断転載禁止。Reproduction Prohibited.
注:ここに記載された内容は、空亡著である小説『欲望の守護神』のための設定資料です。
すべてはフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさい関係ありません。
服装
 今村幸枝氏の記述は、すべて公開済み資料。
 女性神職は太古から継続されていたが、服制は作られなかった。かつては男性と同じ衣装を着用し、おもに髪を結うか下ろすかで男女を見分けていたが、昭和二十一年に他方と揃える形で袿袴を採用する。
 1871年以降、公にならい幾度も「機能的な洋服に」との論争が繰り広げられたが、歴史を重んじる信者、および伝統技術や職が失われるとする五都木市の装束店などの強固な反対により、導入は避けられてきた。現在でも、こと祭などの特殊な衣装や装束(個人のフルオーダー品ふくむ)は、五都木市の装束店や職方により作られている。その他の装束は、グループ企業内の繊維事業会社が、全国規模で服制に則ったものを製造・販売している。
 素材は、正装〜常装においては今日でも絹とされているが、実際には汚れや痛みに強い化繊との混紡も許可されている。また日常着や作務衣などには、機能性にすぐれた新素材がさかんに取り入れられている。
 日常着には、男女とも白衣・袴(地位色)・白足袋を着用する。また、掃除などには地位色の作務衣・白足袋・草履(雪駄)を着用する。いずれにせよ下に着用したものの色は透けないよう心がける(白衣→白い下着を着用)。
 武術・舞踏・楽奏などの修行時は、行の形態に見合った道着を着用する(例:体術→柔道着〈空手着〉剣術→紺道着に紺袴〈師は白などの変化あり〉舞踏→レオタード・スパッツ・スエットパンツ等〈民族舞踊などでは似せた稽古用衣装〉)。
 男女とも儀式では、楽師は地位なく揃いの衣装を着用する。
 社務道企画課が裏方を務める際には、男女とも黒い直垂か作務衣(配置箇所による)を着用する。
 男女とも神葬祭では、専用の鈍色装束を着用する。その際、地位や立場を袍(袿袴)と狩衣(水干)とで別けることがある。
 生地の地紋、丸紋には、日蛇の紋が使用される。古代から現代まで、様々な日蛇の紋が考案されている。生地の規格さえ合っていれば、紋の組合せは個人の好みで仕立ててよいとされる(ただしオーダーメイド)。
 紋の例
日蛇紋1 日蛇紋2 日蛇紋3 日蛇紋4
 装束は高価であることから、紋の配置は一定とされる(年齢による繁文・遠文の無視)。
 正装・礼装にいたっては帖紙(たとうがみ)を懐中する。
 女性の袴は捻襠(ねじまき)仕立ての切袴とされているが、個人の好みによって差袴でもよいとされる。

持ち物
 男女ともに、装束の延長としての物を持たない。両手は軽く握り、袖の中に隠すようにする。これについては、『朝鮮半島や中国からの伝来』『つねに戦闘可能な姿勢』『武器の隠蔽』などと諸説ある。しかし実際には儀式内容によりけりで、様々なものを持つ。


 植物:榊・篠・花枝 など
 道具:御幣・笏・鈴・銅拍子・鞠・檜扇・杓(ひさご)・舟棹 など
 武器:太刀・劔・剣・楯・鉾・杖・弓 など

男性の服制
 劔などを腰におびる時には、平緒を着用する。

 正装
地位斎司以上神司正神修神修修仕以下
闕腋袍
(けってきのほう)
〈裾が長い〉

二重織物〈冬〉  顕文紗〈夏〉
二重織物 顕文紗

固地綾〈冬〉   無地紗〈夏〉
固地綾 無地紗

(たん)
白 有紋
有紋
白 無紋
無紋
半臂
(はんぴ)
奴袴
(ぬばかま)
白 縫取織
縫取織
黒 縫取織
縫取織
深緋 縫取織
縫取織
深縹 平絹
平絹
浅葱 平絹
平絹
黒 有紋
烏皮履(うひり)〈外出時〉 ・ 白の絲鞋(しかい)〈屋内時〉

 礼装
地位斎司以上神司正神修神修修仕以下
闕腋袍
〈裾が短い〉

固地綾〈冬〉
固地綾
顕文紗〈夏〉
顕文紗

固地綾〈冬〉
固地綾
顕文紗〈夏〉
顕文紗

綾〈冬〉
綾
無地紗〈夏〉
無地紗

綾〈冬〉
綾
無地紗〈夏〉
無地紗
萌黄
綾〈冬〉
綾
無地紗〈夏〉
無地紗

自由 〈省略可〉
半臂
袍の色に準ず
差袴 色、生地とも正装の奴袴に準ず
黒 無紋
烏皮履〈外出時〉 ・ 黒の絲鞋〈屋内時〉

 常装
地位斎司以上神司正神修神修修仕以下
狩衣
(かりぎぬ)
色、生地とも礼装に準ず

自由 〈省略可〉
差袴 色、生地とも正装の奴袴に準ず
烏帽子
礼装と同様


女性の服制

 正装 〈袿袴(けいこ)
地位斎司以上神司正神修神修修仕以下

(うちぎ)
色、生地ともに男性正装の袍に準ず

男性に準ず
切袴
〈捻襠(ねじまき)仕立て〉
色、生地ともに男性の奴袴に準ず
髪型 ときさげ 釵子・日陰糸
男性正装に準ず

 礼装 〈袿袴:道中着〉
 袿の記載色は左から順に、『表地』『中陪』『おめり』。

地位斎司以上神司正神修神修修仕以下
黒 二藍 薄色
固地綾〈冬〉
固地綾
顕文紗〈夏〉
顕文紗
紫 浅緋 紅
固地綾〈冬〉
固地綾
顕文紗〈夏〉
顕文紗
紅 濃萌黄 浅緑
綾〈冬〉
綾
無地紗〈夏〉
無地紗
縹 浅縹 一斤染め
綾〈冬〉
綾
無地紗〈夏〉
無地紗
萌黄 淡萌黄 黄
綾〈冬〉
綾
無地紗〈夏〉
無地紗

淡木賊  有紋
有紋
紅梅  有紋
有紋
女郎花色 無紋
無紋
退紅  無紋
無紋
朽葉  無紋
無紋
切袴 正装と同様
髪型 正装と同様
男性礼装に準ず

 常装
地位斎司以上神司正神修神修修仕以下
水干
(すいかん)
色、生地は礼装袿の表地に準ず。
菊綴が無いものを、上頸、覆水干で着用する。

自由 〈省略可〉
切袴 正装と同様
髪型 ときさげ 額当(ぬかあて)
礼装と同様